FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

とある店を出たところで、高齢の女性に話しかけられました。
「コンビニ、どこにある?」

このまままっすぐ行けばありますよ、と言っても良かったのですが、なんとなく一緒に向かうことになりました。
女性の腰がひどく曲がっていて、コンビニまで行けるかな?大丈夫かな?と思ったせいもあります。

「私も昔は立ち仕事してて」
「そうなんですか」
「今はこんなになったけど」

私がいらぬ心配をしたことを見抜かれていたようです。

「なんのお仕事されていたんですか?」
「バスガイド」
「バスガイドさんでしたか!」
「ちょっと前までやってたから、勤続45年」
「それはスゴイ」
「もともとは富山にいたんだけど、勤めてたところがダメになって。そしたらこっち(石川県)の知り合いが誘ってくれて、結局こっちで37年勤めた」
「バスガイドさん、大変じゃなかったですか?」
「仕事、好きやったからね。楽しかったよ」

同じ職業を45年続けた後に「楽しかった」と言い切れる人、今どれだけいるんでしょう。

「お姉ちゃんも仕事しとるんやろ?」
「はい」
「大変やろ?」
「バスガイドさんを45年続けることに比べたら、全然です」

女性は、そうか、と晴れやかに笑いました。
しばらくしてコンビニエンスストアに着いたので、そこでお別れしました。

別れた後、家まで歩きながら考えました。

私があの女性くらいの年齢になった時、
見ず知らずの人に、あんなに屈託なく話しかけられるだろうか。
自分の過去を、あんなに秩序立てて語れるだろうか。
そして、自分の人生は楽しかった、とあんなに素直に言えるだろうか。

ふと、特に歩調を緩めることなく一緒に歩いていたことに気付きました。
普段から私と同程度の速度で歩く方なのかもしれません。
ですが、若いもんには負けられん!という矜持で頑張っていたとしたら、あっぱれです。

ほんの数分ご一緒しただけの方から、刺激を受けた年明けでした。
「お姉ちゃん」呼びは、久しぶりすぎて気恥ずかしかったですけど。