「結局ライブ、行けなかったんです」

会うといつも楽しそうに推し活の話をしてくれる女性が、その日はかなり沈んでいました。
前回お会いした時に「初めて推しのライブに当選しました!来月大阪に行きます!」と話してくれた、そのライブに行けなかったそうです。

「もしかして、この雪の影響ですか?」
「はい…もともと雪の予報だったのでJRは運休になるかもと思って、車で行く予定してたんです」
「妥当な判断だと思います」
「ですけどその日、北陸道(高速道路)が通行止めになってしまって」
「そうだったんですか」
「JRは運休していたし、他に移動手段もなくて。もう泣きました」

彼女がそのライブをどれだけ楽しみにしていたか。
ファンクラブに入っていても、なかなか入手できないプレミアチケットです。
「次は行けますよ!元気出してください」なんて軽々しい慰めは言えません。

「空席、作りたくなかったんですけどね」
「天災なんですから、仕方ないです」
「一応、雪の影響で行けなかったことを運営に連絡してみたんですけど」
「なんて?」
「個人の事情なので補償はしかねる、って」

運営側としてはそう答えるしかないのでしょう。
残念ではありますが。

「で、1つ学びました」
「はい?」
「北陸新幹線は運行してたんですよ」
「雪や風に強いって聞きますよね」
「なのでこれからは、大阪ではなく東京のライブを申し込みます」

お強い。
北陸新幹線にも引けを取らないそのメンタルに、思わず笑ってしまいました。
これからも楽しい推し活の話、期待できそうです。