FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

たまに、自宅のベランダに猫が現れます。
少しふくよかな体に、金色の眼。
お隣で飼っている猫です。

初めてベランダで見かけた時は驚きました。
野良猫?と思いましたが、猫が自力で登ってこれる高さではありません。
しばらくすると探している声がして、お隣の猫だと分かりました。

先日、家で原稿を書いていたら、久しぶりにベランダに現れました。
しばらく窓越しに見ていたら、ガーデニング用の肥料を食べようとしたので、「食べちゃダメ!」と慌てて外に出ました。
突然現れた家主に、猫は不審な感じを隠そうともせず身構えています。
「いや、驚かせてごめんやけど、それ食べたら毒だからさ…」
なぜか、こちらの方がしどろもどろです。

向こうは、威嚇するでも逃げるでもなく、じっとこちらを見ています。
こちらは、そんな猫を抱き上げたり撫でたりするのも憚られ、向こうの出方を待ちます。
両者、膠着状態です。

しばらくして、向こうが歩み寄ることにしたらしく、私の手を舐め始めました。
大人の対応ができる猫と、そうでない私。

お隣の様子を窺うと、ベランダの掃除をしているようでデッキブラシの音がします。
サッシが開いた隙に外に出たのでしょう。
「じゃ、お掃除終わるまで、ここにいようか」
「なに、すごいこっち見るじゃん」
「おとなしくできて、偉いね」
話しかけている間も私の手を舐めたり、顔を擦り付けてきます。
手、キレイだったかな?と心配になります。

掃除が一段落したらしいお隣さんが、なにかに話しかけている私に気付きました。
「あ、すみません!そちらに行ってましたか?」
「大丈夫ですよ。お掃除終わらせてください」
「ホントすみません。ほら、戻っておいで!」
「あ、ホントに、おとなしいんで大丈夫です」

とはいえ、私がこのままいると帰りにくいかなと思い、ベランダを離れることにしました。
そのまま窓越しに見ていたら、慣れた様子で隔て板の下をくぐって帰っていきました。

なるほど、そこから来てたのか。
ずっと、ベランダを飛び移ってきてるんだと思ってました。
猫といえば、みたいな発想をしていたのが恥ずかしい。

今度会ったら、このベタな思い込みの話でもします。