FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。
初めて就職して社会人になった会社って、いつまでも忘れないものです。
褒められたこと、叱られたこと。
何十年経った今でも、鮮烈に思い出せます。
新社会人になった時に指導していただいた先輩が退職されることになり、有志で『お疲れさま会』を計画しているけれど、参加できる?と連絡をいただきました。
その会社を辞めて20年以上(!)も経っているにもかかわらず、お誘いいただけたことが嬉しくて、
「もちろん伺います!」
と食い気味で返答しました。
『お疲れさま会』当日、久しぶりにお会いすることに緊張しながら、会場に入りました。
「おー、久しぶり!」
「やっと来た!」
という声に迎えられ、席に着きました。
すぐに全員が到着し、乾杯の挨拶もないまま、ぬるっと会が始まりました。
幹事をしてくれた先輩が「気の置けない仲間を集めた」というのも頷けるゆるさです。
しばらくして、運よく主賓の隣に座ることができました。
「元気そうやね」
「○○さんもお変わりなく」
「いや、しっかり歳とったよ」
「本当にお世話になりました。それだけはちゃんとお伝えしたくて」
「ガッツのある新入社員だったよね。△△さんに図面投げられても食らいついて」
「笑。その時も○○さんにフォローしていただきました」
「そうやったかな?ま、頑張ってるなと思ってたから」
「バカな新入社員を、皆さん根気よく指導してくださって」
「教え甲斐のある新入社員だったんだよ」
「私、最初の会社がここで良かったって思ってます」
「もう、つらい記憶が薄れてるだけなんじゃないの?笑」
思い出話はいくらでもあったのですが、いつまでも主賓の隣を占領するわけにもいかず、他の方に席を譲りました。
しばらくして閉会の時間になり、主賓のお言葉もないまま、ぬるっと終了しました。
最後まで、気の置けない仲間たちの空気感のまま。
当時、会社にはこんな標語が掲げられていました。
【 後工程はお客様 】
自分の次の工程を担当する人を “お客様” だと思って仕事をすること。
後工程の満足度を高めるよう努め、最終のお客様への影響を常に意識すること、という意味合いだったと理解しています。
これはその後、仕事をする上での考え方の基礎になりました。
分かりやすい表記、誤解を生まない言い回し、聞き間違いを減らす言葉選び。
これらを強く意識するようになったのは、この指導があったからです。
あらためて、最初の会社がここで良かった、と自分の幸運を喜びました。
新社会人の皆さんにも、こんな幸運があることを祈っています。