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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

市街地など需要が多くある地域では、土地活用は比較的容易です。
しかし郊外の土地の場合、住宅地としての需要が多くないことに加え、
山間部や農地など、土地そのものの性質や形状、法律上の制限などが絡んで活用しにくい場合があります。
比較的広い土地を確保できるメリットを上手くいかせるかどうかは、アイデア次第です。

それでは、郊外の土地活用について説明します。

郊外の土地活用5つのアイデア

①一戸建て賃貸
アパートやマンションではなく、一戸建ての住宅を貸し出して家賃収入を得る方法です。
一般的に戸建ては運用がしにくいとされていますが、どのようなニーズがあるのかを調査し、それらを満たす戸建てを提供できれば一定の需要は望めます。

まず、「戸建て賃貸を希望する借り手」という目線でニーズを考えてみます。
・誰にも迷惑を掛けずに子供を遊ばせたい
・家庭菜園をやってみたい
・田舎に移住したい
・リモートワークしながら田舎暮らしを体験したい
・新築住宅を建築中で、完成まで仮住まいしたい

その上で、より具体的に「借り手」を想定します。
既存住宅を賃貸するのなら、それに沿う形で必要なリフォームをします。
賃貸用住宅を新築するのなら、需要が満たせるような設計・建築をします。
住宅需要がない地域での賃貸は、ニーズの把握とコンセプト設定がとても重要ですので、専門業者に相談することもおすすめです。

②トランクルーム
様々な物を収納できるトランクルームを設置して利用者を募り、定期収入を得る方法です。
アパート建築などに比べれば初期投資が安く済み、賃借人管理なども不要、というメリットがあります。

近年は副業ビジネスでの商品置き場として、トランクルームの需要が増加傾向にあります。
基本的には、自宅や職場に近いトランクルームを利用する方が多いイメージですが、自動車での搬入出に配慮した導線設計など、広い土地を活かして差別化を図ることで需要を掴めるかもしれません。

トランクルーム経営は厳密には倉庫業法の適用を受けるなど、素人には難しい面も多いので、専門業者に相談するのがおすすめです。
物品の保管に関して保証義務を負わないレンタル収納スペース運営も、選択肢の一つです。

③事業用定期借地
自分でビジネスをするのではなく、空いている土地を企業などに貸し出して収入を得る方法です。
借り手は自らの事業を営むために土地を利用するので、その事業に適してさえいれば、居住用にふさわしくない土地や、市街地から遠く離れた土地でも構わないので、色々な用途が考えられます。

事業用定期借地は、契約期間が満了すれば更新されないという特徴もあり、土地の所有者は将来の土地の返還が約束されます。
土地は手放したくないけれど運用はしたい、という方にはおすすめです。

④資材置き場
かなり広めの土地が余っている場合に、森林事業者や建設事業者などの資材置き場として貸し出す方法です。
こうした事業者は、木材や大型の建築資材の置場に困っていることがあるので、一定の需要が期待できます。

大型トラックでの搬入出が可能であること、ある程度の騒音が発生すること、などが課題になる場合もあります。

⑤キャンプ場
山林もしくは山林に近い土地を所有している場合、キャンプ場経営も考えられます。
近年はキャンプ初心者の需要が増えていますので、炊事場やお手洗いなどの設備や、貸し出し機材などを提供できれば収入も期待できます。

ただし車での来場がほとんどなので、場内の導線、駐車場の整備は必須です。
さらに宿泊施設を運営する場合は旅館業の営業許可が、料理を提供する場合は飲食業の営業許可が必要になります。
実際に運営を考える場合は、法規制を十分に考慮する必要があります。

郊外の土地活用注意点

①用途地域
用途地域とは、「都市計画法」に基づき、住居系、商業系、工業系などの用途に応じて土地をエリア分けしたものです。
まず、「都市計画法」では、土地を以下に分けています。
・都市計画区域
・都市計画区域外
・準都市計画区域

さらに、「都市計画区域」は以下に分かれます。
・市街化区域
・市街化調整区域
・非線引き区域

この内、「市街化区域」は
”すでに市街化を形成している区域またはおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域”であるため、有効な土地活用のために用途地域が定められています。
用途地域によって建築できる建物の種類や用途が制限されますので、その性質に見合わない建物は建てることができません。
土地活用を考える場合は、この用途地域に見合った運用となるかどうかの確認が必要です。

また農地の場合は農地法の規制を受けるため、所有者の意志だけでは利活用できません。
農地を売ったり、貸し出したりするためには、農業委員会もしくは都道府県知事の許可が必要です。
さらに農地以外の用途に利用する場合は、都道府県知事もしくは農林水産大臣の許可が必要になります。

②地域の需要
戸建てを建てるにしても、キャンプ場を運営するにしても、そもそもその地域に需要がなければ収入を得ることは難しくなります。
これは市街地より、郊外のほうが顕著です。

周辺の地域でどのような土地活用がされているかを調べたり、専門家のアドバイスを受けるなどして、事前に需要を調査することが重要です。

まとめ

さて、参考になりましたでしょうか?

土地活用は事業性の有無に関わらず、地域の需要や関係する法律など規制面の事前調査が欠かせませんが、郊外の土地であってもアイデア次第で活用は可能です。
田舎だからとあきらめず、ぜひ検討してみてください。