FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

「明日から、旅行に行くんです!」
仕事でたまにお会いする女性が、嬉しそうに話しかけてくれました。

「うらやましい!どこに行かれるんですか?」
「ヨーロッパです。スペインとか3か国」
「え、すごい。どなたと行かれるんですか?」
「1人です。私、旅行はほぼ1人で行くんですよ」
「ヨーロッパに1人旅ですか!」

私も何度か海外に行きましたが、1人で行ったことはありません。
1人旅を楽しめる大人にはなれなかったな…と自分の不甲斐なさを顧みます。

「スペインってことは、サグラダ・ファミリアですか?それとも美食?」
「いえ、水族館です。有名な水族館があって」
「水族館?」
「私、水族館が好きで。旅行に行く目的はほぼ水族館なんです」
「…初めて聞きました。水族館目当てで海外旅行する人」
「ですよね。私も自分以外知りません。笑」

海外旅行と聞くと観光や美食だと考えてしまう私は、つくづく凡庸です。
世間には、いろんな趣味を持った人がいるのです。

「スペインなら、美味しいものもありますしね」
「私、食にそんなに興味ないんですよね」
「あ、そうなんですか」
「なので、予算は水族館関係に全振りしてます」
「趣味に全振りとか、なんかいいですね。カッコいい」
「褒められちゃった。笑」

ひとしきりそんな話をして、行ってらっしゃい!とお別れしました。

水族館か。
国内で旅行する時はドライブがてら近くの水族館に寄ることはありますが、海外で水族館に行ったことはありません。

気になったので「ヨーロッパ 水族館」で検索してみました。
スペインとポルトガルに有名な水族館があることを、初めて知りました。
そういえば、訪問する3か国の1つがポルトガルでした。
スペインと近いからかな、と思って聞いていましたが、ちゃんと理由があったようです。

ネットでニュースを読んでいると、アルゴリズムが働いて、私が興味を持つような記事しか出てこなくなります。
便利な反面、新しい知識を得る機会を失っているともいえます。
彼女が話しかけてくれなければ、ヨーロッパの水族館について興味を持つことも、調べることもなかったでしょう。

世間は広くて、多様な人たちがいて、まだまだ知らないことに満ちている。
そんな当たり前にあらためて気付く機会になりました。