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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

以前Blogで、「資産価値があまり下落しない物件を探したいのなら『居住誘導区域』に注目」とご紹介しましたが、今後、特に地方では重要な指標になるであろう「立地適正化計画」について説明します。

立地適正化計画を簡単に言えば、「まちをコンパクトにデザインする」という事になるでしょうか。
人口減少社会では、空き家や未利用の公共施設、公共インフラが増大することが懸念されており、自治体では計画的なまちづくりが必要になってきます。
立地適正化計画は、都市計画区域内に「居住」や「都市機能」を誘導する区域を定め、公共交通と連携した「コンパクト・プラス・ネットワーク」のまちづくりを推進するものです。
「市街化区域」の中に『居住誘導区域』が設定され、さらにその中に『都市機能誘導区域』が設定される、というイメージです。
ちなみに誘導区域は以下のように分類されます。
『居住誘導区域』→居住を誘導し人口密度を維持するエリア
『都市機能誘導区域』→生活サービスを誘導するエリアや商業施設などを誘導するエリア

『居住誘導区域』では、狭いエリアに集まって住むことで都市機能を維持しやすくなる、公共交通が維持・整備されアクセスしやすくなる、などのメリットが享受できます。
住民が集まるので税収が増え、自治体の財政状況が改善されることも期待されます。

『都市機能誘導区域』では、職場・ショッピングエリア・公共施設が集められるので、相互アクセスがしやすくなります。
公共交通が優先的に整備されるので、移動することが負担になりやすい高齢者が外に出る機会が増えることも期待されます。

その一方、『居住誘導区域』以外では住みにくいと感じる機会が増えそうです。
『居住誘導区域』に人が集まる反面、『居住誘導区域』以外では人が減り続けることになり、ゴミ収集・上下水道・電気・公共交通・道路などの生活サービスの維持が難しくなることが懸念されるからです。
すでに公共交通(バス便など)の縮小・廃止が決まった地域もあります。

ただ誤解のないように申し添えますが、
立地適正化計画は、居住者が少ない郊外から中心部に強制的に移住させるものではありませんし、今すぐに移住を推し進めていくものでもありません。
20年先を見据え、「誘導」区域を設定するという緩やかなものです。
若い方でも全員が利便性の高い地域に住みたいと考えているわけでは無く、スローライフを楽しみたいと考えている人もいらっしゃるので、今後も中山間地域をはじめとする郊外での需要は一定数あると思います。
ですがやはり、『居住誘導区域』以外にある家の売却価格が安くなってしまうことは想定されます。
購入時から将来的に住み替えを想定しているのであれば、『居住誘導区域』について考慮した方が、将来の売却を有利に進められる可能性が高まります。

住宅購入、住み替えの参考になりましたでしょうか?
もし「立地適正化計画」に興味があれば、下記国土交通省のリンクからご確認ください。
「立地適正化計画の意義と役割 ~コンパクトシティ・プラス・ネットワークの推進~」