FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

しっかりした人間では決してないのですが、約束の日時については忘れない方だと自負しています。
加えて心配性でもあるので、家を出る30分前には準備を終えています。
そんなに予定がないから覚えている、というのも理由ではありますが。

先日、家で原稿案を考えていた時に電話が鳴りました。
もう10年近くお世話になっている美容院からです。
珍しい、なんだろうと思って電話に出ました。

「はい」
「〇〇さんですか?」
「はい」
「今日のご予約ですが…」

!!!たしかに今日、予約してました。
時計を見ると予約時間を15分も過ぎています。

「ごめんなさい、すっかり忘れてました…今から行ったら迷惑ですか?」
「大丈夫ですよ。今日は空いてるので」
「本当にごめんなさい!すぐ向かいます!」

美容院からだと分かったにも関わらず、まったく予約を思い出さなかった自分に驚きながら、とにかくバッグに財布とスマートフォンをいれて家を飛び出しました。
自転車を勢いよく漕いだせいなのか、人をお待たせするのに慣れていないせいなのか、いつもより鼓動が早くなっている気すらします。
到着後、息を整える間もなく美容院に入りました。

「すみません、予約を忘れてた〇〇です…」
「(笑)お待ちしてました」
「本当にすみません…」
「珍しいですね、遅れるなんて。長い付き合いですけど、初めてじゃないですか?」
「本当にすみません…」
「大丈夫ですから、そんな気にしないでください」

そんなやりとりの後、カットが始まりました。
カットしてもらいながら、予定をすっかり忘れていた自分に、少なからずショックを受けていました。
これまでプライベートの予定は記憶だけでこなしてきましたが、いよいよスケジュール管理アプリに頼る時が来たようです。

これまで当たり前にできていたことが、ある日ふいに出来なくなる。
こうして人は、歳を重ねたことを自覚するのかもしれません。
「まだアプリを使えるだけましか」などと自分を慰めながら。