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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

(株)リクルートの調査研究機関『SUUMOリサーチセンター』が、
2023年の住まい領域のトレンドキーワードを「平屋回帰」と発表しました。
リクルートの注文住宅動向調査では「平屋の住宅」の検討率は上昇を続けており、2018年の12.4%が2022年には17.9%にまで伸びています。
1年以内に一戸建てを建築した人への全国調査なので、都市圏・地方圏問わず、平屋の検討者が増えていると判断できます。
注目すべきは、これまでのメイン顧客である高齢者世代だけでなく、20代や30代の若い世代からも平屋住宅が支持されていることです。

個人的に注目したのは「収納に工夫のある家」の検討率が、2018年の38.1%から2022年の24.5%にまで下落していることです。
住宅メーカー各社の創意工夫により収納力向上がなされてきたから、との見方も出来ますが、
「収納力」が最重要項目ではなくなった、とも見受けられます。
平屋住宅は居住空間を広く取ろうとすれば、どうしても収納量が不足しがちです。
サブスクやフリマの利用が当たり前で“モノを持たないミニマムな暮らし”をするなど、収納量が少なくても上手に暮らせる方が増えたことと、平屋住宅を検討する方が増えたことは無縁ではないと推測します。

今ブームをけん引している「コンパクトで高コスパな平屋」は、大きく以下に分類されます。
・新築 高コスパ平屋 - ローコストで性能の良い20坪程度のコンパクトな新築住宅
・リユース平屋 - 平屋の中古一戸建てだけでなく、上層階を減築した中古一戸建ても
・サードプレイス平屋 - 10坪未満の小屋やタイニーハウスなど
家を一生ものとは考えないから、ローコストで充分。
その一方で住居としての機能性は追求するので、コストパフォーマンスは重視。
個々のライフスタイルや合理的な判断から、新しい平屋スタイルが求められているようです。

かつて家は一生に一度の買い物と言われ、一生涯住むことを前提としていました。
ですが今は、仕事や家族状況、社会情勢などの変化も激しく既定路線が描きにくい上、
単身世帯、夫婦二人世帯、一人親世帯、高齢者世帯など世帯形態も多様化し「一生涯の暮らし方」を想定することが難しくなっています。
『自身の変化に合わせてその都度、最適な住まいを選ぶ』
これからの住まいへの考え方は、より軽やかになっていくようです。