FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。
以前、大阪で暮らしていたせいもあり、街中で関西のイントネーションが聞こえるとつい耳を傾けてしまいます。
先日、美容院で関西弁が聞こえてきました。
常連らしい女性が美容師さんに、大学生になったばかりの息子さんのことを話しています。
「県内の大学行ってくれたから仕送りはいらんけど、学費高すぎやわ」
「どこ行かれたんですか」
「○○大学。県内の大学で一番高いらしくて、年間✖✖万。冗談かって」
4年間の学費だけで高級SUV車が買えます。
聞いてるだけの他人ですが、震えます。
「で、その次男が高校最後の思い出にって、友達と廃墟巡りに行って」
「廃墟巡り(笑)」
「アホやろ」
「肝試しみたいな感じなんですかね」
「多分、そんなノリ」
いかにも高校生男子がやりそう。
うっかり笑ってしまいそうになるのを我慢します。
「そしたらその夜、警察から電話があって」
「え?」
「不法侵入で補導されてん」
「廃墟で?」
「それも高校生最後の日に。笑えるわー」
これ、美容院中のお客さんに聞こえてますけど、大丈夫ですか?
お母さんは笑い飛ばしてますけど、だいぶセンシティブな話です。
「大変じゃないですか」
「こってり絞られたらしいわ」
「いや、むしろ補導で済んで良かったですよ」
「警察には面倒かけたけど、大人に叱られるのも経験や。親が叱ったってなんも聞かんのやから」
そうか、成人年齢は18歳だから、逮捕される可能性もあったのか。
大事にならなかったのは、息子さんとお友達が素直に謝ったからでしょう。
他のお客さんからも、ほっとした空気が伝わってきます。
権利ばかりを主張する人が増えた昨今。
「悪いことをしたら叱られるのは当たり前」というこのお母さんの倫理観は、今では希少なのかもしれません。
こんな親御さんに育てられた息子さんに幸多かれ、と願います。
さて、関西特有の軽妙な語り口に最後まで聞き入ってしまいました。
私も素直に謝ります。
「盗み聞きして、ごめんなさい」