「なんかモヤモヤしてるんだけど、これって心狭い?」
友人と食事をしている最中、こう切り出されました。
勤務先でなにかあったようです。
「なんかあった?」
「私の部署が、会社から報奨金をもらったの」
「あら、おめでとう」
「で、それをどう使おうかって。会社は食事会推奨ね」
「うん」
「結果、お菓子を配ることになったの。1人2000円で」
「2000円か」
「ねえ、”2000円のお菓子” って、なに想像した?」
「ちょっとした箱入り菓子。きんつばとか焼き菓子とか」
「そんなにかさばらなくて、重くないものだよね」
「私が選ぶんだったらね。でもそうじゃなかった?」
「お菓子が納品されたので各自持っていってください!って言われて、倉庫行ったの」
「うん」
「そしたらポテトチップスや水が、段ボールで積んであって」
「お」
「各段ボールに ”1人〇個” ってメモが貼ってあって」
「各自持っていけと」
「全部で、レジ袋2つ分あった」
「水もあるしね」
「それ抱えてバスで帰りましたよ。通勤通学のラッシュ時に」
「お疲れさまでした」
ポテトチップスや水が入った袋を2つ持って、混んでいるバスに乗るのはしんどい。
心中お察しします。
「これでモヤモヤするのって、私が心狭すぎる?」
「持ち運びは考慮してほしいところよね。笑」
「なんだろう。上手く言葉にできない、このモヤモヤ」
「間違いじゃないもんね、2000円分のお菓子」
「そこなのよ…間違ってないのよ…」
この不満を上手く言語化できないのは、彼女が普段、悪口を言わないからなのでしょう。
負の感情を表す言葉がストックされていないから。
使い慣れていないから。
あらためていいやつだな、とこっそり笑ってしまったのは内緒です。

