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石川県金沢市の小さな不動産屋です。

先日、ヒット商品の記事を読んでいて、気になるものを見つけました。
「高くて不味い」
ヒットの方程式である「安くて美味い」の真逆をいく商品であるにも関わらず、発売から38年経っても売れ続けている商品があります。
歯周病予防歯磨き粉『クリーンデンタル』です。
特徴的なのは、「高くて不味い」にも関わらず、購入層の2人に1人がリピーターという、驚異的な満足度の高さです。

1985年に登場した『クリーンデンタル』は、ほとんどの人が最初は“まずい”と表現するであろう、インパクトの強い個性的な味です。
独特な味の正体は、重曹(炭酸水素ナトリウム)。
重曹の汚れをよく落とす性質に着目し配合されました。

“汚れをしっかり落とすこと”にこだわるなら、重曹は絶対に外せない。
ですが重曹を入れれば、美味しい味の歯磨き粉は作れない。
そこで、“美味しい歯磨き粉”を目指すのではなく、「1週間で慣れる味」「慣れたらハマる、癖になる味」を目指し、研究を重ねたそうです。
現代の技術をもってしても美味しくはできないため、効能別にバリエーションを増やし、ペパーミントやレモンフレーバーなどと味を変えています。
結果、『赤の味は苦手だったけど、黄色を試したら大丈夫だった』などといった声もあり、売れ行きを伸ばすことに成功しました。

「高くて不味い」けれど、『歯の表面がツルツルになった』『磨いた後の爽快感は格別』など、 商品特有の爽快感が固定客の獲得につながっています。
これも「美味しいを諦める」という、潔い決断があったからと言えます。

オーラルケア意識の高まりに加え、コロナ以降は『口の中をより清潔に保ちたい』という人々が増え、『歯周病予防』『むし歯予防』『口臭防止』など、あらゆる効能を併せ持ったオールインワン処方の歯磨き粉がトレンドとなっています。
歯磨き粉の高機能化が進むことで、その平均単価も右肩上がりで、『クリーンデンタル(100g)』の実勢価格は1000円前後です。

歯磨き粉って、どうしても「いつものやつ」を選んでしまいがちです。
効能はもちろんですが、口に入れるものなので味は重要です。
ですので、”慣れるのに1週間掛かるけれど、慣れたらハマる、癖になる不味さ”とはどういったものなのかには興味があります。
今使っている歯磨き粉が無くなったら、「高くて不味い」歯磨き粉も検討してみます。