FREEplus(フリープラス)です。
石川県金沢市の小さな不動産屋です。

先日、とある人が
「結局、親から言われたのは ”人に迷惑をかけるな” だけだったように思う」
と話していて、自分もそうだったな、と懐かしく思いだしました。
私たちの親世代は、特にそうだったように思います。

ですが、ことさらに「社会の中ではモラル、ルールを守ることが大事」だと躾けられると、必要以上に他者の目を気にするようにもなります。
ミスして迷惑かけたらどうしよう。
イヤホンから音漏れしてたらどうしよう。
「人に迷惑を掛けたくない」「人に迷惑なやつだと思われたくない」と考えがちになります。

その気質に上手く訴えかけたCMに、VISAの「タッチ決済」があります。
コンビニのレジでタッチ決済を利用し「タッチするだけだから、後ろを待たせない!」というCMです。

VISAの「タッチ決済」サービスは、すでにご存じかと思います。
ICチップの付いたクレジットカードを端末にタッチするだけで、カードを読み込んだり、暗証番号を入力したりする必要なく、すぐに支払いを完了できるサービスです。
手軽で速く決済ができる利便性の高いサービスにもかかわらず、CMではその利便性より「後ろの人を待たせずに済む」ことをメリットとして訴えています。

別の電子決済サービス「Googleウォレット」のCMでは、買い物中にバスが来てしまったため、慌てて端末にタッチして、バスに向かって走っていく様子が映し出されます。
VISAのタッチ決済と同様に、すぐに支払いを完了できることをアピールしていますが、こちらではサービス本来のメリットである利便性にスポットをあてています。
コマーシャルとしてはこちらが本来の手法でしょうから、やはりVISAのCMは少し特殊です。

私は通常、現金しか使えない店舗以外では電子決済を利用しています。
「小銭で財布を重たくしたくない」という、ごく個人的な理由もあるのですが、
「見ず知らずの他人様を待たせずに済む」というのも理由の一つです。
”人に迷惑をかけるな” と育てられると、「後ろの人を待たせずに済む」ことはメリットであり、選択基準になります。
だからこそ、この日本市場向けに制作されたVISAのCMは「いいとこ突いている」と思います。

あなたがまだ電子決済サービスを利用していないとしたら、どちらのCMに影響を受けるのでしょうか。
ちょっと興味があります。